中小企業にとってまだまだ効果が弱い研究開発税制-3
著者:兵頭始税理士事務所 税理士 兵頭始
前回は、研究開発税制が多くの中小企業にとって研究開発活動を促進する誘因とはなっていないということをお話ししました。
今回は、これを裏付ける2つの調査結果がありますのでご紹介をいたします。
今回は、これを裏付ける2つの調査結果がありますのでご紹介をいたします。
資本金が1億円以上の会社の53%が黒字であるのに対して、資本金1億円未満の会社で黒字なのは、わずか27%です。
このことから、中小企業が研究開発減税を受けるチャンスは大企業に比べて非常に少ないことが分かります。
このことから、中小企業が研究開発減税を受けるチャンスは大企業に比べて非常に少ないことが分かります。
この調査結果は、企業規模が小さいほど利益率、すなわち収益性が低いことを明確に示しています。
このことから、中小企業は、黒字を計上して研究開発減税の適用を受けることができたとしても、利益水準が低いために法人税額の20%(現在は2年間の特例で30%)という税額控除限度額で打ち切りにされてしまい、研究開発費の支出額に見合った控除を受けられることは、大企業に比べて少ないと考えられます。
赤字会社が多いことと共に、中小企業の収益性が低いことが、研究開発税制による減税総額の95%を大企業が享受しているという結果となっているのではないでしょうか。
以上の2つの調査結果からは、企業の研究開発活動を税制面から支援するためには、控除限度額(税額基準額)や繰越控除が可能な年数を、企業の規模などによって違いを設けることが、実態に即していると言えます。
具体的には、中小企業については次の2つの措置を講ずる必要があります。
1.税額控除限度額(税額基準額)を引き上げる
2.控除し切れなかった金額の繰越控除を認める
(翌年度以降数年間の法人税額から順次控除する)
これらの措置を講ずることによって、中小企業にとっても研究開発費の支出額に見合った税額控除を受けられる可能性が広がり、企業規模間でバランスのとれた真に研究開発活動を促進する税制になると考えます。
赤字会社が多いことと共に、中小企業の収益性が低いことが、研究開発税制による減税総額の95%を大企業が享受しているという結果となっているのではないでしょうか。
以上の2つの調査結果からは、企業の研究開発活動を税制面から支援するためには、控除限度額(税額基準額)や繰越控除が可能な年数を、企業の規模などによって違いを設けることが、実態に即していると言えます。
具体的には、中小企業については次の2つの措置を講ずる必要があります。
1.税額控除限度額(税額基準額)を引き上げる
2.控除し切れなかった金額の繰越控除を認める
(翌年度以降数年間の法人税額から順次控除する)
これらの措置を講ずることによって、中小企業にとっても研究開発費の支出額に見合った税額控除を受けられる可能性が広がり、企業規模間でバランスのとれた真に研究開発活動を促進する税制になると考えます。
「研究開発」は、税務や会計において特殊な分野です。
研究開発に関する税務や会計は、当事務所の得意分野です。
内閣府や文部科学省の政策立案担当の方々が当事務所を訪れたこともあります。
「試験研究費の特別控除(法人税額の特別控除)」制度を検討している企業は、
専門家である税理士にご相談いただくことをお勧めいたします。