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2018年6月7日|カテゴリー「研究開発減税QA」
税法でいう「試験研究費」の「税務上の会計処理」会計処理について説明します。
「研究開発費等に係る会計基準」を適用しなくてよい会社、つまり普通の中小企業の会計処理についての説明です。
※会計基準が強制的に適用されるのは、次の会社です。
(1) 上場会社と、その子会社・関連会社
(2) 会社法上の大会社(資本金5億円以上、または負債総額200億円以上)と、その子会社
(3) 任意に会計監査人を設置した会社
これら以外の会社には、会計基準は強制適用されません。
したがって、中小企業は、任意に会計監査人を設置している場合を除き、「研究開発費等に係る会計基準」によって経理しても良いし、以下に述べる「法人税法」によって経理しても良いことになります。
[ポイント]
・税務上は、特別の会計処理は要求されていない
・実務的には、試験研究費のうち原価性のあるものは、製造費用として経理すべき
・研究開発減税(試験研究を行った場合の法人税額の特別控除)を受けるうえでは、
特別の会計処理をすることは要件になっていない
「研究開発費等に係る会計基準」を適用しなくてよい会社、つまり普通の中小企業の会計処理についての説明です。
※会計基準が強制的に適用されるのは、次の会社です。
(1) 上場会社と、その子会社・関連会社
(2) 会社法上の大会社(資本金5億円以上、または負債総額200億円以上)と、その子会社
(3) 任意に会計監査人を設置した会社
これら以外の会社には、会計基準は強制適用されません。
したがって、中小企業は、任意に会計監査人を設置している場合を除き、「研究開発費等に係る会計基準」によって経理しても良いし、以下に述べる「法人税法」によって経理しても良いことになります。
[ポイント]
・税務上は、特別の会計処理は要求されていない
・実務的には、試験研究費のうち原価性のあるものは、製造費用として経理すべき
・研究開発減税(試験研究を行った場合の法人税額の特別控除)を受けるうえでは、
特別の会計処理をすることは要件になっていない
1.税法でいう「試験研究費」とは
製品の製造または技術の改良、考案もしくは発明に係る試験研究のために要する費用です。
これらのために要した費用は、その内容や結果によって、
期間費用(一般管理費)となるもの
製造原価(当期総製造費用)となるもの
に分けられます。
これらのために要した費用は、その内容や結果によって、
期間費用(一般管理費)となるもの
製造原価(当期総製造費用)となるものに分けられます。
2.税法では、試験研究をその段階によって3つに分類しています
基礎研究
自然現象に関する実験等によって、法則を決定するための研究
応用研究
応用研究
基礎研究の結果を具体的な物質、方法等に実際に応用して、工業化の資料を作成するための研究
工業化研究
工業化研究
基礎研究および応用研究を基礎として、(製品化やシステム化のめどがついた製品等の)工業化または量産化をするための研究(既存製品や既存技術の通常の改良などのための試験研究も、工業化研究に含まれることになる)
3.期間費用(一般管理費)となるもの
上記2①の基礎研究のために要した費用
上記2②の応用研究のために要した費用
上記2③の工業化研究に該当することが明らかでない試験研究のために要した費用4.製造原価(当期総製造費用)となるもの
上記2③の工業化研究に該当することが明らかな試験研究のために要した費用
つまり、税法では、「税法上の」試験研究費のうち、工業化研究に該当することが明らかなものだけを、製造原価に算入すればよいこととされています。(通達で定められています)
※このことから、既存の製品や技術の通常の改良のための試験研究活動などは、工業化研究に含まれることになります。
つまり、税法では、「税法上の」試験研究費のうち、工業化研究に該当することが明らかなものだけを、製造原価に算入すればよいこととされています。(通達で定められています)
※このことから、既存の製品や技術の通常の改良のための試験研究活動などは、工業化研究に含まれることになります。
5.会計処理
期間費用となるもの税務上は、特別の会計処理は要求されていません。
したがって、給料手当や消耗品費、減価償却費など一般管理費の各科目として経理して構いません。
しかし、試験研究のために要した金額を明確にするためには、試験研究のために要した、材料費、人件費、経費を抽出して、これらを一括した勘定科目として一般管理費として「試験研究費」や「研究開発費」と表示するのがベターだと思います。(「研究開発費等に係る会計基準」は、このような一括表示を要求しています)
勘定科目としての「研究開発費」や「試験研究費」は、複合科目です。
この中には、研究開発などのために要した材料費や人件費、外注費、消耗品費、動力費、研究開発のために使用する固定資産の減価償却費、その他の費用が含まれます。
(注意)減価償却費については、税務計算上の費用(損金)とするためには「償却費」として費用処理(損金経理)することが要求されています。
したがって、「試験研究費」等として表示する場合は、総勘定元帳のうえでは減価償却費勘定で経理し、決算書において「試験研究費」に含めて表示するか、又は、「試験研究費」等に内訳補助科目を設けて経理することが必要になります。
製造原価となるもの税務上、特別の会計処理は要求されていません。
製造原価項目の材料費、労務費、経費の各科目として経理しても良いし、上記①と同様に製造費用としての「試験研究費」などの複合科目を設けて一括して表示しても構いません。
「研究開発費等に係る会計基準」は、当期総製造費用として処理されたものについては、一括表示を要求していません。
6.研究開発減税を受ける金額の集計
会社の会計処理のし方にかかわらず、税法で定めている、「試験研究を行った場合の法人税額の特別控除」の対象となる費用を抽出して行います。
「研究開発」は、税務や会計において特殊な分野です。
研究開発に関する税務や会計は、当事務所の得意分野です。
内閣府や文部科学省の政策立案担当の方々が当事務所を訪れたこともあります。
「試験研究費の特別控除(法人税額の特別控除)」制度を検討している企業は、専門家である税理士にご相談いただくことをお勧めいたします。
2018年6月6日|カテゴリー「研究開発減税QA」
会計や税法で使われている用語として解説します。「研究開発費」と「試験研究費」とは同じ意味でしょうか、それとも違うのでしょうか。
ポイント
「研究開発費」は会計上の用語、「試験研究費」は税法上の用語です。
両者は、多くの部分は同じですが、違う部分があります。
研究開発減税の対象となるのは、税法上の「試験研究費」で、その内容は租税特別措置法で定められています。
研究開発減税の対象となる「試験研究費」とは、現在の製品や加工技術のちょっとした改良までを含む、非常に範囲の広いものです。
減税の対象となるのは、税法上損金又は必要経費になるものに限られます。
賞与引当金繰入額や、退職給付引当金繰入額など、繰入れた年度で税法上損金又は必要経費にならないものは、繰入れた年度では減税対象になりませんが、実際に賞与や退職金を支払った年度の「試験研究費」となり、支払った年度で減税の対象になります。
一般に、「試験研究費を行った場合の法人税額・所得税額の特別控除」制度を、「研究開発減税」と言っています。
※「研究開発減税」は、法人だけでなく、個人事業者にも適用があります。
ポイント
「研究開発費」は会計上の用語、「試験研究費」は税法上の用語です。
両者は、多くの部分は同じですが、違う部分があります。 ★詳しくは、http://www.hyodo-ao.netの、
「研究開発とはどのような活動か」、「研究開発費の分類」、「研究開発費の会計と税務の取扱、両者の違い」
をご覧ください。
研究開発減税の対象となるのは、税法上の「試験研究費」で、その内容は租税特別措置法で定められています。
研究開発減税の対象となる「試験研究費」とは、現在の製品や加工技術のちょっとした改良までを含む、非常に範囲の広いものです。
減税の対象となるのは、税法上損金又は必要経費になるものに限られます。
賞与引当金繰入額や、退職給付引当金繰入額など、繰入れた年度で税法上損金又は必要経費にならないものは、繰入れた年度では減税対象になりませんが、実際に賞与や退職金を支払った年度の「試験研究費」となり、支払った年度で減税の対象になります。一般に、「試験研究費を行った場合の法人税額・所得税額の特別控除」制度を、「研究開発減税」と言っています。
※「研究開発減税」は、法人だけでなく、個人事業者にも適用があります。
しかし、会計上で言う「研究開発費」と税法で言う「試験研究費」は、全く同一ではありません。
多くの部分は同じですが、違う部分があります。
会計と税法との本来の違いによるもの
会計上は費用となるものでも、税法上は費用(損金)とならないものは、そもそも試験研究費にはなりません。
(例:研究開発に従事する者の、賞与引当金繰入額や退職給付引当金繰入額)
研究開発と試験研究の考え方(範囲)の違いによるもの
既存の製品の通常の改良研究は、会計上の研究開発費にはなりませんが、税務上の試験研究費にはなります。
したがって、その費用は研究開発減税の対象になります。
★詳しくは、http://www.hyodo-ao.netの、「研究開発費の会計と税務の取扱、両者の違い」をご覧ください。
多くの部分は同じですが、違う部分があります。
会計と税法との本来の違いによるもの会計上は費用となるものでも、税法上は費用(損金)とならないものは、そもそも試験研究費にはなりません。
(例:研究開発に従事する者の、賞与引当金繰入額や退職給付引当金繰入額)
研究開発と試験研究の考え方(範囲)の違いによるもの既存の製品の通常の改良研究は、会計上の研究開発費にはなりませんが、税務上の試験研究費にはなります。
したがって、その費用は研究開発減税の対象になります。
★詳しくは、http://www.hyodo-ao.netの、「研究開発費の会計と税務の取扱、両者の違い」をご覧ください。
※勘定科目としての「研究開発費」や「試験研究費」は、複合科目です。
この中には、研究開発などのために要した材料費や人件費、外注費、消耗品費、動力費、その他の費用が含まれます。
新聞などで、単に「研究開発費」と書いてあるときは、企業が決算書の損益計算書の中で「研究開発費」として表示した金額を言っています。
その内容は、原則的に、企業会計基準審議会が定めた「研究開発費等に係る会計処理基準」に従っています。
一方、「試験研究費」とは、「研究開発減税」即ち「試験研究を行った場合の法人税額・所得税額の特別控除」制度の 適用対象となる活動のために要した費用を言います。
※実際に減税を受けられるのは、「試験研究費」のうち租税特別措置法等で定めた部分です。
企業の決算書の「研究開発費」の金額の全額が、研究開発減税の対象になるわけではありません。
また、企業の決算書の「研究開発費」の金額以外にも、研究開発減税の対象になるものがあります。
研究開発減税を受ける金額の集計は、会社の会計処理のし方にかかわらず、税法で定めている、「試験研究を行った場合の法人税額の特別控除」の対象となる費用を抽出して行います。
この中には、研究開発などのために要した材料費や人件費、外注費、消耗品費、動力費、その他の費用が含まれます。
新聞などで、単に「研究開発費」と書いてあるときは、企業が決算書の損益計算書の中で「研究開発費」として表示した金額を言っています。
その内容は、原則的に、企業会計基準審議会が定めた「研究開発費等に係る会計処理基準」に従っています。
一方、「試験研究費」とは、「研究開発減税」即ち「試験研究を行った場合の法人税額・所得税額の特別控除」制度の 適用対象となる活動のために要した費用を言います。
※実際に減税を受けられるのは、「試験研究費」のうち租税特別措置法等で定めた部分です。
企業の決算書の「研究開発費」の金額の全額が、研究開発減税の対象になるわけではありません。
また、企業の決算書の「研究開発費」の金額以外にも、研究開発減税の対象になるものがあります。
研究開発減税を受ける金額の集計は、会社の会計処理のし方にかかわらず、税法で定めている、「試験研究を行った場合の法人税額の特別控除」の対象となる費用を抽出して行います。
「研究開発」は、税務や会計において特殊な分野です。
研究開発に関する税務や会計は、当事務所の得意分野です。
内閣府や文部科学省の政策立案担当の方々が当事務所を訪れたこともあります。
「試験研究費の特別控除(法人税額の特別控除)」制度を検討している企業は、専門家である税理士にご相談いただくことをお勧めいたします。
2018年6月5日|カテゴリー「研究開発減税QA」
結論
「開発費」と「研究開発費」とは、全く意味が違います。
開発費は、費用又は損失として経理する(これを「損金経理」といいます)ことにより、法人税の計算上、支出した年度で全額を損金とすることができます。
研究開発費は、その性格や内容、研究開発の結果によって、単純な費用(期間費用)になったり、製造費用に算入されたりします。開発費
開発費の意味会計でも税法でも、同じ定義です。
「開発費」は、単純な費用ではなく、「繰延資産」とされます。
「繰延資産」とは、支出した費用のうち、支出の効果が、支出した年度だけでなく翌年度以降に及ぶものなどをいいます。
会計(企業会計原則と関係諸法令の調整に関する連続意見書)
→現に営業活動を営んでいる企業が、新技術の採用、新資源の開発、新市場の開拓等の目的をもって支出した金額、ならびに、現に採用している経営組織の改善をおこなうために支出した金額等をいう。
法人税法(法人税法施行令第14条1項3号)
→新たな技術若しくは新たな経営組織の採用、資源の開発又は市場の開拓のために特別に支出する費用をいう。
開発費の損金算入税法上、開発費は任意償却の繰延資産とされています。
支出した開発費の金額のうち、法人が費用又は損失として経理した金額(損金経理した金額)が、法人税を計算する上で損金となります。(法人税法施行令第64条1項1号)
したがって、支出した年度で全額を費用又は損失として経理すれば、その全額が支出した年度の損金になります。
また、数年度に分けて、費用又は損失として経理すれば、数年度に分けて損金に算入されることになります。
研究開発費
研究開発費の意味会計と税法では、同一ではありません。
会計(研究開発費等に係る会計基準)
研究・・・新しい知識の発見を目的とした計画的な調査及び探究
開発・・・新しい製品・サービス・生産方法(以下「製品等」という)
についての計画若しくは設計又は既存の製品等を著しく改良するための計画若しくは設計として、研究の成果その他の知識を具体化すること。
法人税法(租税特別措置法42条の4第12項1号)「試験研究費」
※ 税法では、「研究開発費」という用語は使わず、これに概ね相当するものとして、「試験研究費」という用語を用いています。
製品の製造または技術の改良、考案もしくは発明にかかる試験研究のために要する費用
研究開発費(試験研究費)の損金算入税法では、「試験研究費」を3つに分類しています。
イ. 基礎研究
自然現象に関する実験等によって、法則を決定するための研究
ロ. 応用研究
基礎研究の成果を具体的な物質、方法等に応用して、工業化の資料を作成するための研究
ハ. 工業化研究
基礎研究及び応用研究を基礎として、製品化やシステム化のめどがついた製品等の工業化や量産化をするための研究
上記の3つに分類した試験研究のうち、イの「基礎研究」とロの「応用研究」のために要した費用は、発生年度の法人税の計算上、損金に算入されます。
また、ハの「工業化研究」に該当することが明らかでない費用も、損金に算入されます。
試験研究費のうち、ハの「工業化研究」に該当することが明らかなものだけが、製品等の製造原価の計算に算入され、製品原価(取得価額)の構成要素となります。
「研究開発」は、税務や会計において特殊な分野です。
研究開発に関する税務や会計は、当事務所の得意分野です。
内閣府や文部科学省の政策立案担当の方々が当事務所を訪れたこともあります。
「試験研究費の特別控除(法人税額の特別控除)」制度を検討している企業は、専門家である税理士にご相談いただくことをお勧めいたします。













